2014年3月10日月曜日

3月11日、小説「未来へ」の発売!

昨年のKAMEの翼プロジェクト制作者・はないみほさんの小説『未来へ 上・下巻』が電子雑誌のLapiz (ジャーナリストたちによる雑誌)より生まれたLapiz novelsより電子書籍として発売される事になりました。


LapizNovels 発売開始!

はないみほ作品

『未来へ上巻』550円 『未来へ下巻』630円
あれから3 年・・・。
3 月11 日上下巻同時発売!


<あらすじ>
福島第一原子力発電所はメルトダウンをした。原発近隣に住む人々はどうな
ったか!?同時にテレビ画面上でその出来事を知った人たちは何を考え、どう
したか?原発事故が日本人に問いかける。
言葉とチカラで出来上がった大人の世界を子どもの純粋な心が、言葉やチカ
ラの枠を外して凝り固まった大人たちを動かしていく。
私たちの未来は何処にあるのでしょうか・・・。
現実とファンタジーが入り交じりながらストーリーは展開していく。


ー『未来へ 上巻』 「あとがき」よりー

 東日本大震災から三年目を迎えようとしている。
たくさんの方が亡くなった。
統計によると第二次世界大戦で亡くなった人口を上回るのだそうだ。
え?と耳を疑いたくなる話である。
その事実が私たちのよく見る新聞やテレビニュースから流れないのはどうしてだろう。
それくらいに日本はいろんな情報が隠れてしまう社会のしくみなのだろう。
この震災は私に大きな衝撃を与えた。当たり前だった出来事に、当たり前っていったいなんなんだ?という疑問が湧き出たのである。
本文でも出てくる「当たり前」「仕方ない」「普通は」「それが社会だから」などなどそういう言葉を出されてしまうと、人は思考停止に陥る。それ以上は言えなくなる。
動きも止まる。そして権力者が使う「核の平和利用」「正義のための戦争」という反対語を結びつけた言葉で、人はとんでもない事をすごくいい事のように勘違いしてしまっている。
そういう事例は本当に多い。
日本は、世界で唯一原爆投下された国であり、その九年後第五福竜丸の乗組員も被爆した。
そういう世界で例を見ない出来事を経験しても五四基の原子力発電所が小さな日本列島にひしめき合い隣接している現状。
そして三・一一の福島第一原子力発電所の事故が起きてしまった。
未だに収束されていない。
海にも、地下水にも汚染水は流れ、大気圏も汚染されている。
でも大丈夫だという心理は、何処から来るのだろうか。
そしてそうなんだと安堵する心理を持つ事が出来るのだろうか?
ピノキオという童話を子どもの時に何度も読んだ。
悪い事をすれば鼻が伸びる。
「もうしません」とピノキオは作ってくれたゼペットじいさんに懇願する。
それなのにまた闇の証人に飴や夢みたいなショーを見せられて心奪われる。
そしてピノキオや子どもたちは闇の証人に売られ、ロバにさせられてしまう。
その場面を今私は日本の社会に見ているようである。
焼け野原になった日本は、人の幸せ、豊かさは、お金であるというような思想で統制されていったようである。
そして四季をもち、世界に例を見ない水資源豊富な美しい日本をお金のために破壊し、心まで奪われてしまったように感じるのである。
今本当に大事なのは、理屈ではなく、心で感じる事だと思う。
そして循環する事を意識し、優しい気持ちを持つ事だと思う。
『偽善』という言葉をも作って本当の優しさまでも、誹謗中傷するこの社会に違和感を抱く。
誹謗中傷するまでに人を信じられぬ国にしたのは、誰なんだろう。
その問いに答えられたらと言う気持ちを込めてこの小説を書いた。
震災後三年となり、また今の政権は原発推進を勧めている。
今日本が何処の時点にいるのかを感じながら生きていかないといけない時代である。
私たちは人間という生き物である。
ロボットではない。
一人一人が意志を持ち生きていく時代である。
ピノキオはいつしか人間になった。
私たちも人間のままでいられるようにと願う。

                         二〇一三年一一月一八日
                           は な い み ほ
―是非ご購読よろしくお願いいたします―

*電子書籍で発売。
購入方法は電子雑誌「Lapiz」と同じようににて購入してください。




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