2011年6月12日日曜日

プロジェクトメンバー石巻・女川へ -4


前回に引き続き,東日本大震災の被災地である石巻市・女川町での活動についてレポートします.

●カメパオプロジェクトの女川での活動

5月29日 カメパオ次男の成長
 
 カメパオ次男は,女川の保育所の保育士さんたちが,支援物資の箱を使って独自に作り上げたカメパオ. カメパオ次男は,女川町立第一保育所の迎えにある女川町役場勤労青少年センターの体育館に設置されている.基本的には,青少年センターで避難生活をしている子ども達(幼児から中学生まで7・8人程度)のみが遊ぶことが出来る.
 
 前回訪れてからおよそ1週間.カメパオ次男の様子を見てきた.

 青少年センターの体育館は,照明等が余震で落ちてくる恐れがあるため避難所として使用されていない.そのため,子ども達だけで体育館に入り遊ぶことは禁止されている.子ども達がカメパオで遊ぶためには,避難所に常駐している保育士さんかほかの大人が同伴していなければいけない.しかし,保育士さん達を始め,大人達は土日でもそれぞれやることが多くなかなか子ども達はカメパオで遊ぶことができないようだった.

勝手には遊べない

 今回は,私原田と,私が石巻・女川で行動を共にしている渡辺さんの2人で訪問した.私たちが一緒であれば,子ども達にカメパオで遊んでもらうことができるということだったので,子ども達と一緒にカメパオで遊んできた.この日は,小学生3人と中学生2人が青少年センターにいた.
 私たちがいることで,子ども達は安心して遊べるようで,ずいぶん楽しんでもらえたように思う.結局3時間ほど青少年センターに滞在しカメパオで子ども達と交流してきた.

 前回,できたての時点でかなり損傷が激しかったため,今回は工作用紙,大量のガムテープ,マジックなど修復の道具を用意して行った.
 「いっしょにカメパオを直してね」というと,子ども達は積極的にガムテープや工作用紙を手に取り,破れた箇所の修復を行ってくれた.そして修復が大体済むと,カメパオの改造が始まった.5角形に空いた窓にドアを付けたり,上部の天窓にフタを設置したり,煙突のようなものを作ったり,思い思いに絵を描いたり少ない時間ではあったが,カメパオの様子はずいぶん変わった.


天井に窓を付ける
天窓完成
これが入り口のドア
ますます大人は入りにくく・・・
煙突

 子ども達が,どんどん新しい事を考え,「これはないのー?」「ガムテープはもうないの?」と次々と言ってくるのでこちらもとても楽しかった.これからもカメパオを通じて,子ども達と交流できればと思う.



 避難所では,カメの翼プロジェクト,カメパオプロジェクトの我々だけでなく本当にたくさんの団体がいろいろなネタを持って,それこそ連日のようにやってくる.私が見たものを挙げると「折り紙教室」「科学実験教室」「読み聞かせ会」「歌の教室」「音楽教室」「フーセンアート」「タオルを使った人形作り」「シャボン玉教室」「生け花教室」などなど本当にたくさんの人々がやってきてそれぞれのことをやっていく.
 どれも,とても魅力的で実際やってみれば楽しいし気はまぎれるが,もっと自由に子ども達が絵を描いたり,工作できたりするようなものがあればそれもとても良いのではと,今回カメパオで遊ぶ子ども達を見て思った.
 マニュアルがあるわけではなく,手順があるわけでもなく,完成形が決まっているわけでもない自由な創造.それを私の達のような者たちが材料やアイデアの提供などで少しだけ手助けしてあげれば子ども達は本当に心から楽しんでくれるように感じた.
 子ども達の遊び場が,避難所や仮設住宅になっていってしまっているここでは,そのような支援をしてあげることもとても良いかもしれない.

harada

0 件のコメント:

コメントを投稿