2013年11月6日水曜日

中原浩大氏の個展「自己模倣」


美術家で京都芸大・彫刻科教授・中原浩大氏の個展を見に行った。
岡山県立美術館にて行われていた個展・「自己模倣」
11月4日は最終日であり、学芸員の方と中原浩大氏とのフリートーク会もあった。
それにあわせて、参加した。
中原浩大氏は、現代美術界では歴史に残ると言われていれる人で、美術手帖という雑誌ではよく取り上げられている人である。
二十代は看護師として、その後は主婦として生きて来た私にとって、そんなにすごいと言われる中原氏を知る機会なんぞなかった。
知ったのは、KAMEの翼プロジェクトのサポートをする事になった4年前。
KAMEの翼プロジェクトを発起するに至り、若者アーティストをサポートする際、選考される若者は、発起人の渋垂氏の信頼置ける二人に!ということで、2010年12月京都芸大の彫刻科の研究室でその話を詰めた。
そこで、中原浩大氏と日比野克彦氏に初めて会った。
その日まで、中原浩大氏と日比野克彦氏の過去の資料を渋垂氏に渡され、説明され、二人のアーティストについて思考した事を思い出す。
2010年、夏、京都近代美術館では、中原浩大氏を含む京都芸大と京都大学大学院医学研究科との共同研究の作品展示がされていて、そこで間近で中原浩大氏の作品を見て、触ってみた。
その後KAMEの翼プロジェクトへのリーフレットの絵や、文章を読んで、彼ってどんな人なんだろうと思考した。私はKAMEの翼のブログや新聞を担当しているため、KAMEの翼プロジェクトの趣旨やそのプロジェクトに参加してくださる方々の事を他者にちゃんとわかりやすく伝える役割が有るために、彼等を知る作業は、その頃から始まった。
そんな矢先、2011・3・11が起きた。
大きな震災は、私たちに問うた。
2011年5月13日〜17日までKAMEの翼の静岡メンバーと被災地の宮城県牡鹿郡女川町へ支援に行った。その時京都から中原浩大氏と黄瀬氏が私たちと加わり、女川町の第4保育所で「カメパオ」作成をした。
阪神淡路大震災後思考され、子どもたちの居場所を想定して作られた「カメパオ」を初めて実際の被災地で制作することになった。そこに私もいさせていただいたわけである。(ちなみに私はカメパオに中で遊ぶおくるみやクッションなどの縫い物の作品を大量に作ってもっていった。)
中原浩大氏は、カメパオの制作図面を丁寧にファイルして女川の保育士さんに渡した。
そのファイルされた図面や資料は、本当に精密であり、丁寧なものだった。
美術家というと、岡本太郎を私は連想する。なんか大胆でかついい加減で、本人しかわからない殴り書きのようなもんか・・・と美術家を自由人=いい加減という見方で見ていた。(岡本太郎さんには悪いがあくまでもイメージで)
しかし美術家(いろいろいるだろうが)って本当に精密で丁寧で、設計士以上に正確なのかもしれないと思った。
「ちゃんと見なさい」と渋垂氏にずっと言われ続けた私は、彼等が本物アーティストと呼ばれる由縁をずっと探していたのかもしれない。
そして崩壊された宮城県石巻市のホテルの一角で中原氏と仲間と寝袋を並べて寝た。
こうして私は初めてそこで「カメパオ」を目にして実際に入り感じる事が出来た。
さて、そういう経験を経て、今回の中原浩大氏の個展「自己模倣」を見に行った。
岡山県立美術館の玄関の窓越しに、中原浩大氏の写真とおめでとうの絵の作品が大きく一面を飾っていた。
有名人ってすごいな〜って私は思った。
そして中に入ると、まずトランプリンのような作品がで〜ん!とあり、そして会場に大きなレゴの作品が2体並べてあった。
「お〜!これがかの有名なレゴの作品か!」とちょっとうれしくなった。
規則的なのか不規則なのか・・・赤をベースに白、青、黄色のレゴブロックで組まれ、中は空洞の長細い大きな作品である。
こんなに大きな作品をつくっているときの中原氏の頭の中、心の中をのぞいてみたいと思った。
今回会場を撮影する事は出来なかったので、資料の中からの写真を添付するが、下の作品が2体会場入り口に並んでいるのである。




そして様々な過去の作品とそれを模倣した作品が並んでいる。
渋垂氏に説明され、美術手帖やいろんな資料を思い出し、実際目の前に彼の作品が有る事になんだか言われぬ幸福感に浸った。
といっても私は美術の事は全くわからない。
だが、20年以上前に美術評論家が絶賛した作品を見れた事に、私の知らない歴史に触れたというか、タイムマシーンに実際のって過去を見れた面白い感覚に包まれたのである。
KAMEの翼プロジェクトは、20年前の静岡県島田市であった「紙わざ大賞展」がきっかけで出来たプロジェクトだと言ってもいいのだろう。
「紙わざ大賞展」の発起人の一人が渋垂氏で、その会場には審査員として、現代美術評論家の(故)中原佑介氏、国際的デザイナーの(故)福田繁雄氏がいて、招待作家として日比野克彦氏、中原浩大氏がいた。そこに今活躍中の光のアーティスト高橋匡太氏は、大学院生としてその場に参加していた訳である。
東海パルプ工場の工場内で9号機を見て、制作をする作家たち。


紙を使う美術家は、何気なく日常にある紙の正体を見て作品を作るべきだ!と渋垂氏は言った。
紙を生み出すには大量の水と大量の化学薬品を使い、汚染物質を川や海に流す・・・この行程を知ってこそ美術家は、作品を作る意味があると渋垂氏はいっていた。
たしかに工場内にいる作家たちと、紙の材料に使われる大量のチップ材の上でインタビューする日比野氏と中原氏。
彼等は、突き詰められたんだ。(あの頃・・・)
その当時の事を振り返り、高橋匡太氏は、あれが僕の原点だとKAMEの翼プロジェクトのフリートーキングの時に毎年その頃の話をしてくれる。
学生だった高橋さんにとってもそれだけ思いっきり思考し、思いっきり制作し、思いっきり表現した日々だったんだと思った。
「自己模倣」でも紙わざ時代のものがたくさん展示されていた。
東海パルプの工場に彼の家族の写真があり、そこからいろんな殴り書きのような色鉛筆の絵は、わたしにとってすごく印象的で、あの当時の若き中原氏が思いっきり思考し、はじけて生み出されたんだな〜ここの作品の数々は・・・と思った。

この椅子は、浜岡カントリーで展示された作品で、「これも作品なん?」と渋垂氏に聞いた。
「これは乗ってみないとわからない。乗ってみて初めてこの面白さ、心地よさ、不思議さに気がつくんだ」と言った。
そうなんか〜・・・現代美術ってほんとよくわからない。
固定した概念がないのだから、それを何でもいいとこの静岡のある美術を支援する団体は、「現代美術だから何でもいい!だから美術をわからない私たちでも出来るんです」と語っていた事を思い出す。
でもその団体がいう「何でもいい」が本当は何でもいいのではない事を感じたい訳である。
「この椅子は、体感してこそいい!と渋垂氏はいった。
見るだけでなく、触ってみて、体感して感じる作品が現代美術の幅なのか・・・
一度座ってみたいものだと思った。
そしてこの作品をみて、去年KAMEの翼プロジェクトの選考作家の加藤元さんの去年の作品を思い出した。
椅子の上に糸で吊るされた棒。扇風機の風が流れ、その糸に吊るされた棒がクルンクルンと回る。
変な違和感と、なんか不思議な感覚を感じたな〜って記憶を辿る。
加藤さんは、今回の中原浩大氏の作品展を見てどう思ったのだろうか?そんな事を思った。

そこには、テレビモニターがいっぱいあって、そこに唇が異様な動きをしているアニメーション?が映し出されていた。
あ!・・・加藤さんと同じく選考作家だった大見明子さんの作品を思わず思い出した。
大見さんは、アゴラの子どもたちの17年の間溜められた絵を題材にして、アニメーションで、子どもたちの静止画を動かした。その作品がモニターにいくつも映し出されていてた。そして永遠に動き続けていた。
大見さんと中原浩大氏とは違うけれど、モニターをいくつも使って作品とする表現方法は、有るんだな〜って思った。
こうして見ていくと、中原浩大氏が、いかにいろんな表現方法をあみだして、アートの領域を変えていったのだと思えてならない。
作品なのか、コレクションなのか、実験機器なのか、発明家なのか、アルバムなのか、単なるオタクなのか・・・その不確かさが無限を生み、固定概念を持たない。
ただ「変なの」・・・という言葉でも言い表せるものなのかもしれないが、この「自己模倣」という個展を見て思った事は、「変なの」はたいへん真面目で、たいへんスケールの大きい、たいへん綿密な作りで、たいへん丁寧で、たいへん今を思考した作品を作られている人なんだという事。
学芸員とのフリートークでは「反省会」と称して話が勧められた。
その中で、中原浩大氏の苦悩が見て取れた。
学芸員は、「大変ポジティブで、前向きなので・・・」と自分の事を言っておられたが、そのポジティブとか、前向きというのは、自分への解釈であって、実は都合がいいすり替えをしているだけなのでは…と思った。
アーティストは、作品を誠心誠意自分の思いのままに作るのである。
だから会場にあわせて作るのではない。
作品展示をする場所が先で、作品が後となる場合も有るだろうが、公共施設の美術館は、作品が先で、それを展示したいと意向を示すのが美術館であろう。
しかし、今回の中原氏の作品は、美術館側の誤算があって、作品をありのままの状態で展示する事が出来なかった。
そして資金的な負担も中原氏に来てしまった結果となった。
依頼があって、作品展示をする。
作家の意向を何処までくんで表現の場とするか・・・
展示された作品は、見る側とすれば、これが中原浩大氏の作品だと思ってしまう。
しかし、今回の個展は、天井の高さや天井の強度、展示場所と公共美術館としての条例問題を含めて、未完の状態の展示となんてしまった事を聞いて、作家の苦悩を感じるのである。
美術館は、なぜ中原浩大氏の「自己模倣」を展示したかったのか?
瀬戸内国際芸術祭にあわせ、岡山出身の作家である中原浩大氏の個展を提示した美術館だった。
だとしたら、地元出身の作家の作品をもっとちゃんとリサーチし、作家の負担も考慮したうえで、この仕事に望んでほしいとこんな素人の私でも思ってしまった。
痛手を受けるのは、いつも公ではなく、個人である。
手を抜く作家だったら、いいよいいよと、その美術館という大舞台での展示を大喜びするかも知れない。
しかし、そこに自分の負担をいとわないのが、本物作家なんだと思うのである。
なぜ、作品を作るのか?なぜ表現をするのか?・・・・
KAMEの翼プロジェクトで若者を選考する立場にある中原氏や若者にエールを送る先輩アーティストの高橋氏は、名声のためでもなく、金のためでもなく、自分の為に表現するのである。
売れるために存在する、金のために存在するアーティストは、もうすでに自分を見失っているのだろう〜・・・


by terada

ps:渋垂氏は、思いっきり試す機会を若者に与えたいと思って、KAMEの翼プロジェクトを発起した。

原点を辿ると「紙わざ大賞」は、若者に思い切り試す機会を与えた企画だった。
島田市と東海パルプと様々な協賛企業が支えた企画だった。
だから確かに思いっきり表現するための資金はあった。
KAMEの翼プロジェクトは、あの当時とは違う、一人一人の支援により成り立っている。若者に思いっきり試してもらえる機会を、利権なしで一人一人の思いで若者を支えるのである。
規模は、いろんな企画展からみれば、小さいかもしれない。
でもなぜ、利権を外し、個人のサポートのみに限っての企画を思考したか・・・
それは、制作する若者が純粋に自分を表現してほしいという事と、コマーシャルとかいろんな事で身動きできないようにならない事、そして支えているのは、若者を純粋に支えている人たち個人だという事。
支える人たちがもっとわかりやすく、もっと身近にそして、その支えてられている思いも感じてほしいのである。その事は、作家からしては、重い話かもしれない。単純に資金を得て思いっきり好きなように試させてほしい。自由に〜という気持ちはわかる。
けれど、作家も人の思いを感じてほしい。
KAMEの翼プロジェクトは、阪神淡路大震災から始まった・・・子どもたちの居場所、子どもたちを守る事。カメ型シェルター「カメパオ」から渋垂氏は、里山のアゴラ子ども美術工場を作った。そして15年・・・子どもたちは巣立つ・・・守られていた子どもたちは自立していく。そこに「紙わざ」の思いっきり試した若者を重ねたんだ。
思いっきり試す機会のない若者へ、渋垂氏の出来る範囲のサポートでした。
支援が多ければ、規模は大きくなる。支援者が少なければその範囲になる。
これは理想に近い発想です。その理想を渋垂氏が現実化した。
今まで制作された若者は、いろんな思いを抱いていると思いますが、純粋にサポートしているKAMEの翼です。
そしてなぜ里山なのか・・・人が行き交うところで展示すれば人はたくさん来るでしょう。美術館ならすごいでしょう。でも里山…田舎だという事は、今の社会を本気で思考しようよ!って言うメッセージなんです。この原発事故がなぜ起きた。なぜ今社会は大変なのか・・・優しさの欠除が、この社会。
中原浩大氏が「自己模倣」で語った事・・・思いっきり試す機会を与えるのも優しさなんだという事だと私は思うのです。







2013年10月3日木曜日

KAMEの翼プロジェクト 2013 最終!
高橋匡太さんの光のワークショップ
KAMEの翼君が飛んだ!
事務局・寺田のブログ「ゆるりんのポレポレ日記」にupしました!


http://yururinp.exblog.jp/20505947/




by terada


2013年9月30日月曜日

KAMEの翼君が空を飛んだ!

KAMEの翼プロジェクト2013

高橋匡太さんの光のワークショップ

”KAMEの翼君が空を飛ぶ!?”開催!


とうとうKAMEの翼君が地上5メートルの地上に浮かび上がり、前へ前へゆっくりと飛びました!

以下YouTubeにUPしました!http://www.youtube.com/watch?v=n-Oh83CS3gU&feature=em-upload_owner

2013年9月26日木曜日

高橋匡太inアゴラ!
9月29日16時〜20時まで光のワークショップ開催!
KAMEの翼君が空を飛ぶ!?
参加費 500円
多数のご参加お待ちしております!


今年の高橋匡太さんは、愛知県の豊田美術館でのワークショップ「ぼくとひかりと夏休み」を7月20日〜8月18日まで開催されていました。私たちアゴラの子ども参加しました。豊田美術館には粘土が10トン運ばれました。8トンでもなく、9トンでもなく、10トン!これがすごいんです。
さて、このワークショップにはたくさんの方が来場されました。子どもたちは普段想像の時間が割かれる事情に置かれています。その中で今回の豊田美術館でのワークショップは本当に想像と創造の世界に思いっきり浸れたんじゃないかと思います。この粘土で思いっきり試す醍醐味を味わう。10トンの粘土は子どもたちを誘います。表現は頭の中で考えているものではなく、あなた全体を使って表すものなんだって!それはすごい体感をしたワークショップだったと思います。私たちアゴラの子どもたちは船を造りました。そこにはもちろんカメも登場します。あらゆるオブジェも作って飾りました。食糧も積み込みました。ハンドル、運転席、デッキ・・・あれもこれも・・・子どもたちは創造し続けました。楽しいひと時を過ごしました。












そして8月25日アゴラでは、KAMEの翼プロジェクトのフリートーキングを開催しました。参加者には今回制作者の間渕尊君、私はないみほ、高橋匡太さん、去年の制作者の加藤元さん、去年は事故で倒れた今完全復帰した渋垂秀夫さん、間渕君のお母さん、アゴラの卒業生の市川君、原田君、サポーターの藤原君、太郎君、石川さん家族、川島さん家族が参加してくださいました。和やかな時間を過ごさせていただきました。
今回はアーティストの中にまだ所属していない今年高校を卒業した間渕君と主婦であるはないみほの自立をテーマにした話でした。高橋さんは毎年、20年前の紙技大賞の頃からのお話をしてくださり、そして私たちの作品に感じた思いを語ってくださいました。
間渕君の作品に対する集中力のすごさ、作品の綿密な仕上げ、絵の細かさ。見えるというところを本当に伝えています。視覚的表現。本当にすごい。そして楽しい作品だと高橋さんは言います。はないの作品には言葉の力を感じたと言いました。うれしいです。また夏の展示会とフリートーキングとサポーター交流会についてはブログと新聞にかきたいと思います。・・・・今私自身が作品を作っている側にいるもので、ブログUPが滞っています。すみません。KAMEの翼プロジェクトはちゃんと動いております。


そして9月21日・22日は愛知トリエンナーレで高橋匡太さんは、都市とシンクロする1000人の提灯行列を開催

私たちも参加してきました。提灯をもらってそこにはLEDのライトが設置されています。2・5キロの距離を提灯を持って歩きます。科学館から始まり、歩く時に一斉に提灯が灯りました。赤、そして青、そしてみどり、紫、波のように科学館前に集まった1000人がもった提灯が順番に点灯していきます。さて、しゅっぱ〜つ!
私たちの前には年長さんと小学1年生の男の子とお母さんがいました。
小さい身体におおきな提灯。なんか絵になります。
で、色がつきだすと「青にな〜れ!」「「みどりにな〜れ!」「むらさきにな〜れ!」子どもたちは魔法使いのように変身!後ろの私たちの提灯に連動させます。繋がるつながる提灯の光。1000個の七色の提灯が連動して都会の夜を彩ります。
街の光と僕の光が連動し変わっていきます。
私の色があなたに、あなたの色が街に・・・
そう!私たちは繋がる、気持ちも本当は繋がっているんだよって感じでしょうか。
私たちは幸いにもかわいい子どもたちといっしょに2・5キロを歩きました。子どもたちの優しさが私たちの提灯に連動したおかげで優しい気持ちになれました。
繋がる人の気持ちが大事でしょうか。










さて、その高橋匡太さんは29日、アゴラにやってきます!
去年は事故をしたしぶたれ先生の思い高橋さんと原田君がカメパオに似せてそのカメに羽が生えて、・・・カメの翼君が生まれました。
そして空に羽ばたこう!とがんばった翼君でしたが、10センチだけ飛びました。
しぶたれ先生の回復を祈りました。
その祈りは通じたのでしょうね。
今度はしぶたれ先生がその羽ばたきを見届けます。
さて〜思いは羽ばたきます!
是非、29日アゴラに来てください!
高橋匡太さんに会いに来てください!

by terada




2013年9月25日水曜日

高橋匡太さん Special workshop のお知らせ


来る9月29日(日)、16時からAgora子ども美術工場に於いて、光のアーティスト・高橋匡太さんによるスペシャルワークショップ  “Kame の翼くんが空を飛ぶ”  が開催されます。

みんなで Kame の翼くんを宙に飛ばしましょう!

参加費500円で、どなたでも参加できますので、皆様奮ってご参加ください。


お問い合わせは、“KAMEの翼”プロジェクトまで

〒436-0008 
静岡県掛川市千羽1679
Agora子ども美術工場内
電話/FAX : 0537-27-1428
E-mail : agoraart@thn.ne.jp



2013年8月17日土曜日













ただいまKAMEの翼プロジェクトの作品展開催中!
(8月10日〜25日)

 KAMEの翼プロジェクトが県のふじのくに文化芸術振興助成の対象に選ばれ、今年は、新たな趣向で行う事となった。
今年選ばれた制作者は、間渕尊君18歳の青年と主婦・はないみほさん。
そしてあの光のアーティストの高橋匡太さんがまたアゴラに来て、KAMEの翼プロジェクトで高橋さんのワークショップを開催してくださる。
今年のKAMEの翼のコンセプトは、・・・
「新たな時代を担う国内外の”そうぞう”(創造と想像)する若者の拠点の創出とささえるシステムの構築。
そして今年は、未だ発掘されていない女性アーティスト(主婦)、障害者にも目を向け、表現者として自立への道を開く。
同時代の事象に敏感に反応し、表現の可能性を試みる。
里山の自然と時が止まったような佇まいの中、ゆったりと、じっくり、時を過ごしながら表現と向き合うレジデンス。」

[制作者]                                         
* 木版の切り込みイラストレーション、切り絵、鉛筆画/ (間淵 尊)
*はないみほの心”展/ やさしい感触に抱かれ、アゴラの子ども達との交流から誕生した絵本原画 や写真エッセー、人形、庭 (はない みほ)
* 高橋匡太の光りと影のワークショップ2013/KAMEの翼君が飛ぶ。

[日程]
8月10日〜25日まで、間渕尊君、はないみほさんの作品展示。
最終日の25日(日)に、フリートークング開催。テーマは「自立」。             フリートーキング/参加予定者ー高橋匡太(光と影のアーティスト)、間渕尊、はないみほ、昨年の制作者の加藤元(アーティスト)と大見明子(アニメーション作家)。
サポーター交流会は、8月24日(土)10時〜午後3時まで開催。
地元の方と”荒れた里山の再生”/ドングリ山の植樹と紅茶を作ってみんなでお茶作りを予定。
高橋匡太さんの光のワークショップは、9月中旬に予定。
ー制作者紹介ー
 7月、アゴラは、緑豊かな中に草花の花が咲いています。
山に農機具小屋やアトリエのまわり、草花が日々増えています。
子どもたちも緑の中で気持ち良さそうに草花と昆虫と遊んでいます。
今年のKAMEの翼。
去年の夏からアゴラに来ている自閉症を抱える若者。間渕尊君。
この4月養護学校高等部を卒業。現在作業所へ通い、時給200円の日々。
週一回アゴラに来て、ディズニーや静物のパズル、切り絵、アゴラの庭の草花をスケッチ。鉛筆画、水彩画を描いている。視覚感覚の鋭い青年。彼が視る世界、読み取る世界。視覚的に思考し、彼が伝えるもの・・・。詰まった中身とコミュニケーションします。彼が今回の制作者。

もう一人、女性として主婦としていたはないみほ。東北の震災。アゴラの子どもとの関わり、アゴラの自然と庭作り、草むらの中の庭を創る。絵を描き、エッセイを書く日を重ねる。東北の震災を綴った「はしら雲」二冊を出版。現在、絵本“「里山のアゴラ」「もぐら」「ツバメを抱いて」「時の記念日」「牧場の一日」「カラスの詩」等を製作中。また長編物語「未来へ」を執筆中。今回もう一人の制作者。

今、なぜこのプロジェクトをはじめるのか
--NO1-       渋垂秀夫

 誰もが競い、誰もが富を得ようと、誰もが豊かになろうと、誰もが必死に働いた。資本のシステムは、あるときまでは、その競争原理を軸に豊かさを享受することが出来た。しかしこのシステムの欠陥は周期的に訪れ、我々にダメージを与える。
 本来、自然児のごとく、ゆっくりと豊かな育みの中で成長を見守らなければならない子ども達は、この社会システムを守ろうとする大人の陰で、徐々に息苦しそうな表情を見せるようになっていった。教育、遊び、対人関係、子どもへの配慮を欠いた様々な玩具の氾濫、敏感で穏やかな感覚にウイルスは進入していった。
 社会は子ども達をできるだけ早く、大人社会へ組み入れようとしている。
教育の早期化は、年々激しさを増している。それは、生まれて間もない乳児までもである、、早期が何でもいい様な風潮は、誰よりも先にと競争原理が貫かれる。人が育む本能的な感覚や育ては消えていく、、愛情は促成栽培の無菌室の中で培養されるようにすり替えられた、かろうじてDNAが唯一の証として受け継がれる。
 優しさの欠如。時代は確実に優しさを失いかけてる。目の前に人が倒れていても見ぬふりして通り過ぎる。緊急の場合でも手を差し伸べない。この人に手を差し伸べたらどうなるかと、考える。今、目の前で起きている事の重大さより、先の煩わしさや立場を考え、その場を素通りする。こんな時代に優しさの言葉は空虚だ。「思いはあるんですよ、、」でも、、日常の中の余裕の無さなのか?それとも育みの中に何か問題があるのか?
 0歳から5歳までの子ども達の絵を毎年5000枚ほど見る機会がある。。生まれて間もない子ども達の絵は、固まらず、いろんな可能性と感覚にあふれている。一人の子の中にもいろんな感覚の芽が生き生きと吹き出ています。誰から教わるのでもなく、彼らが身につけているもの、感覚の多様さにおどろかされます。人は生まれながらに表現する事の楽しさを知っているのでしょう。描く事、、造る事、、声を発し語る事、、体を動かしリズムを刻む事、、表現、、遊ぶ人として誕生した子ども達の豊かな感覚は、どう変わっていくのだろうか、、
 KAMEの翼のプロジェクトのレジデンス場所になるアゴラ子ども美術工場は、3歳から18歳までの子供たちが制作を中心に活動する場所です。アゴラで大切にしてきたこと。待つ、じっくり温める、怖いという感覚を大切にする、子供が自分で把握できる速度と時間、親切過ぎる教育はしない、手をかす、子供とのちょうどいい距離感、自然を実感する、一人の時間。そんなキーワードを心にしながらアゴラの雰囲気をつくってきた。開設から15年が過ぎ、大学や社会へ巣立っていった子供たちがでてきた。私は、いろんな子供が、大きくなっていく様をつぶさに見てきた。
無菌室の中で促成栽培するような子育てや教育はやめないといけない。
焦る必要はないですよ。
子供は、アリと遊びながらゆっくりと育つ。
大人から子供へ伝えるべきものは、ちゃんと伝える。
自立していくまでの時間をじっくりと見守る
 ポピュラーカルチャー学部を新設する美術大学がある。音楽とファッツションは世界に出るための武器、音と服が世界を変える、社会の価値を変革する、、、楽器が弾けなくても、服づくりの経験がなくとも音楽とファッションにひたりきれる場所がここにあるとキャッチコピーが続く。
大学は、時代は何を求めているのだろうか?どんな子ども達を育てようとしてるのか?
 KAMEの翼プロジェクトは昨年のプレ展からスタートした。時代の変化を感じながら、閉塞した子ども達の状況も感じながらスタートした
「思い描いていることを、思う存分に試してみなさい。
翼を持ったKAMEのように」そんな思いでプロジェクトは、始まった。そんな矢先、東北では嘗てない地震と津波が襲い、多くの方の命を奪った。同時に原発事故をも引き起こし、今なおその被害は拡大しつづけ、終息をしらない。
(2012・2・20 KAMEの翼新聞 NO4掲載文より)

ご協力お願いします!
KAMEの翼プロジェクトは、大人たち個人がこれから巣立つ若者を応援するプロジェクトです。
個人個人の支援で作り上げています。
今まで4人の若者が選考され、制作・表現されました。
一口5000円〜10000円の全国の皆様の支援により、若者の社会への巣立ちを支えていく事が出来ました。
彼等が今後どのような表現をされていかれるかどのような生き方を選択していくか・・・楽しみです。
どうかご支援ご協力お願いいたします。

KAMEの翼”プロジェクト

〒436-0008
静岡県掛川市千羽1679
Agora子ども美術工場内
電話/FAX 0537-27-1428
E-mail kamenotsubasa@gmail.com
サポーター随時募集中

お気軽にご連絡下さい。
案内・リーフレット等をお送りいたします。

( by terada)

      




















2013年7月18日木曜日

記者発表を行いました!






七月十一日(木)、掛川市役所内記者クラブにおいて、KAMEの翼プロジェクト2013の記者発表を行いました。
静岡・朝日・読売・毎日・中日の各新聞社の記者の方々が、取材に来てくださいました。

代表者・渋垂より、今年の制作者である間渕尊くん、はないみほさんの紹介及び選考の理由がなされた後、同席したはないみほさんから、今回の制作にかける思いが述べられました。



以下、KAMEの翼2013チラシより抜粋

今年の制作者:間渕尊、はないみほ

昨年の夏からアゴラに来ている自閉症を抱える若者。間渕尊くん。
この四月高等養護学校を卒業。現在作業所へ通い、時給200円の日々。週1回アゴラに来て、ディズニーや静物のパズル、切り絵、アゴラの庭の草花をスケッチ。鉛筆画、水彩画を描いている。視覚感覚の鋭い青年。彼が視る世界、読み取る世界。視覚的に思考し、彼が伝えるもの、、。詰まった中身とコミニュケーションします。
彼が今回の制作者。

もう一人、女性として主婦としていたはないみほ。東北の震災。アゴラでの子どもとの関わり、アゴラの自然と庭造り、草むらの中の庭を創る。絵を描き、エッセイを書く日を重ねる。東北の震災を綴った“はしら雲”2冊を自立舎から出版。現在、絵本“里山のあごら”“もぐら”“牧場の一日”“時の記念日”“ツバメを抱いて”を制作中、また長編物語“未来へ”を執筆中。今回のもう一人の制作者。

今回は、二人の羽ばたきを考えていきます。


Special workshop:高橋匡太

今年も高橋がやってきます。昨年はKAMEの翼くんを空にあげる試み。子ども達が絵を描いた紙風船とジャンボ風船にヘリュームガス入れ、みんなの気持ちが加わり、なんとか宙に揚がったね。ありがとう。今年は渋垂サンも復帰。翼君がもっともっと高く舞い上がりますよ。フワーッと完結編。そう、新しいワークショップの試みを思案中。またアゴラを行き来します。


プロジェクト2013スケジュール

7月27日(土)9:00~7月28日(月)9:00 Agoraキャンプ
8月  1日(木)~ 間渕尊・はないみほのAgoraアトリエでの制作。
8月10日(土)~8月25日(日)間渕尊・はないみほ作品展(於:Agoraギャラリー 11:00~19:00)
8月24日(土)サポーター交流会 10:00~15:00
               裏山の再生と「紅茶作りをしましょう。」
8月25日(日)フリートーキング “自立”13:00~17:00
     参加者/はないみほ、間渕尊、高橋匡太、大見明子、加藤元
9月29日(日)高橋匡太光と影のワークショップ1“Kameの翼君が空を飛ぶ”
12月  高橋匡太光と影のワークショップ2


今年も、動き出しました!

(text by Ichikawa)




2013年6月15日土曜日

2013 KAMEの翼プロジェクト開催のお知らせ!

               

新たな時代を担う国内外の”そうぞう”(創造と想像)する若者の拠点の創出とささえるシステムの構築。未だ発掘されていない女性アーティスト(主婦)、障害者にも目を向け、表現者として自立への道を開く。同時代の事象に敏感に反応し、表現の可能性を試みる。

里山の自然と時が止まったような佇まいの中、ゆったりと、じっくり、時を過ごしながら表現と向き合うレジデンス。                                                                
1、 木版の切り込みイラストレーション、切り絵、鉛筆画/ (間淵 尊)
2、 “はないみほの心”展/ やさしい感触に抱かれ、アゴラの子ども達との交流から誕生した絵本原画や写真エッセー (はない みほ)
3、 高橋匡太の光りと影のワークショップ2013/KAMEの翼君が飛ぶ。                
4、 フリートーキング/参加予定者ー高橋匡太(光と影のアーティスト)、中原浩大(アーティスト)、渡辺幸重(ジャーナリスト)、はないみほ(エッセイスト、絵本作家)加藤元(アーティスト)、大見明子(アニメーション作家)
5,サポーター・地元の方と”荒れた里山の再生”/ドングリ山の植樹と紅茶を作ってみんなでお茶

若きレジデンスアーティスト達がKAMEの翼の環境の中で思い切り自らの表現を試す機会を得、次世代のアート界に生きる人材を産み出す。また、未だ発掘されていない女性アーティスト(主婦)、障害者にも目を向け、表現者として自立へ道を開く。子ども、地域の大人達の美術への感心が広がる。

他にはないレジデンス環境の創出とさまざまな環境にアプローチするワークショップでユニークな人材の誕生、子どもや地域の中に”そうぞう”の夢を広げる。新たな世代の中から自然環境、社会環境を考え、新たな文化状況が生まれると同時に、次の時代を担う”そうぞう”する人の誕生。


今回は滞在制作ではなく、アゴラを行き来している間渕君とはないみほさんが、日常で生み出していく作品制作。八月の展示まで表現していきます。

(「静岡県文化財団 ふじのくに文化芸術振興助成」事業)

(by terad)










2013年2月18日月曜日



私、teradaが本を自費出版しました。
その本、『「はしら雲」震災と女川の人たち』の編集を担当したのが、KAMEの翼のチームメンバーであり、アゴラ子ども美術工場の卒業生の市川君です。そして若者・市川君の巣立ちが始まりました!主婦だったゆるりんは、エッセイストとして、学生だった市川君は編集者として第一歩を踏み出しました。今思いが形になりました。
是非、この本を読んでください。

 〜出版にあたって〜
2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲いました。
地震、津波、原発事故・・・こんなに衝撃的な出来事が私たちの目の前に起きました。そしてKAMEの翼プロジェクトチームは、支援に動き出しました。支援場所を被災地・女川と決め、2011年に5回、2012年1回女川へ行きました。
そこで出会った方々の声は、私たちにとって衝撃的な事実でした。テレビ、新聞等で伝えられないあのときの思いを知ってほしい・・・そんな気持ちからこの『「はしら雲」 震災と女川の人たち』を執筆しました。挿絵をたくさん入れて子どもたちにもわかりやすく伝えようとした本です。語り継ぐ大事な歴史の一部として記憶に残

していただけましたら幸いです。 




1冊  1200円
お問い合わせ:自立舎 Agora子ども美術工場内
℡:0537−27−1428 メール:agoraart@thn.ne.jp 

by terada

2013年1月16日水曜日

高橋匡太さんの特別展「いつかみる夢」開催中!

場所:京都文化博物館 別館
日時:1月10日〜1月20日

 ―ゆるりんのポレポレ日記よりー
成人式の昨日、私は京都にいた。
荒れるという天気予報は関東を中心の話であり、京都は小雨。
道中も混雑する事なくスムーズに京都に到着。
目的は京都文化博物館 別館で開催中の光のアーティスト高橋匡太さんの特別展。
京都府美術工芸新鋭展の2013京都美術ビエンナーレの企画で行われている。
京都文化博物館は旧日本銀行京都支店だった。
その古い重厚な建物が、今高橋さんの手によって幻想的な光に包まれている。
明治維新後文明開化の時代、鹿鳴館を中心として欧米の重厚な建築物を日本は取り入れた。
去年出来上がった東京駅も、その時代をもう一度という感じで私たちの前に再びお目見えした。
大日本帝国の名を知らしめた建築物が今再び有効利用され、私たちの前に現れた。
その一つ、旧日本銀行京都支店は、力と権力を知らしめんとするかのように、ど〜んと私の目の前に現れた。
その当時の力や権力はたくさんのレンガや石一個一個の重みに比例するかのようだ。
その場所を舞台にし、高橋匡太さんというフィルターを通して光と映像の世界がくり広げられている。
この日本銀行は前1/3に飾り窓がしかれてあり、かつてお金を出し入れする際、その飾り窓を開け閉めしてお金の移動がなされていた。
その飾り窓を見る限りでも、日本銀行の存在とお金という価値がいかに重い存在だったかが伺える。そして、その場の空気は、権力の軋轢にいろんな顔を見せた存在が行き交っていたのだろうと想像する。
その重厚感ある建物に高橋さんはどう関わったのだろうか!?
LEDで美しい現代的な光を表現し、かつ光と対比する陰を表現する。
そしてその間には残像というのだろうか、記憶の中の存在が映像と言う形で表現されている。
この建物には存在しなかったであろう優しい存在と、ユニークな存在。
その柔らかさがこの空間を新しいものへ作りかえているようだ。
時代をリードする若者、光のアーティスト・高橋さんの表現は、朽ちずに残るコンクリート建築に対比して朽ちていく人間と自然物を取り入れることにより、力と権力を消し去り、循環する優しさを表現しているように感じた。
題:「いつかみる夢」・・・いつか私たちの目の前に、想像通りの優しさが、重き記憶さえも消し去り存在していてほしいものだと祈った。
高橋さんはずっと子どもたちとワークショップをやっている。
やはり高橋さんの中には、子どもという存在が大変貴重な存在なんだとおもうんだ〜。


以下下の写真は舞台裏を見せていただいた写真。
KAMEの翼プロジェクトを通して高橋さんと知り得た。
そのおかげで表現の舞台裏を見せていただいた。
誰も行けない場所。
日本銀行が開いている時なんぞは、皆無に近い場所。
二階の踊り場に行く階段はよほどの事でない限り歩く事は出来なかっただろうな〜。掃除のおばさんや守衛さんをのぞいては・・・
そんな場所にいって種を見た・・・そんな感じかな。
皆様、歴史ある京都での高橋匡太さんの特別展「いつかみる夢」に足を運んでみてください!

by terada