2014年11月25日火曜日

アゴラよりお知らせです。

小児科医・山田真医師の講演会のお知らせです。

今までアゴラ子ども美術工場では、子どもたちに優しさを伝えてきました。
いつも見守る先生がいました。
2010年、KAMEの翼プロジェクトを立ち上げた先生。
いつも穏やかだった先生が言葉を出して行きました。
そして4年、政治についても語る機会をつくりました。
こんなこと誰だってやりたい話ではないのです。
危うい、危機を持っているから言葉を出し、大事な人をお招きし、伝えてもらうのです。
この声が届きますでしょうか?
どうか届いてください。
どうか今日本が何処の時点にいるのかを気づいてください。
穏やかな人が言葉を語り始めている意味を感じてください。





上記チラシのとおり、アゴラ子ども美術工場にて12月14日に小児科医・山田真先生の講演会を開催します。
定員:50名のため、連絡順です。お早めの連絡お願いします。
(☎ 0537−27−1428 アゴラ)

ー開催にあたってー

里山にあるアゴラ子ども美術工場は、3歳から18歳までの子どもたちがいる居場所。
自然と造形を通して子どもたちに”あなた自身が大事ですよ、優しさが大事ですよ”って伝えています。
2011年、福島原子力発電所の事故が起きました。この時を境に、世の中は変わって行きます。その後、政権が変わり、特別秘密保護法、集団的自衛権行使容認、武器輸出等と政治は平和から遠ざかっているように思います。
今、様々な不安が私達を覆っています。
その不安を解消するにはどうすればいいでしょうか?
ネット、新聞、テレビからの情報に『本当にそうなの?』と問いかけてみましょう。
人が生きて行くために大事な感覚、”怖いという感覚”は身を守り、未来へ繋げます。研ぎすませて、当たり前に『怖い』と口に出しましょう。
”ニュートラルな人々との交流は新たなコミュニティーを創ります。”
アゴラ子ども美術工場は、ニュートラルな目線の方との交流、新たなコミュニティー創りを提案します。
キーワードは子どもと自然
今回は小児科医であり、震災後福島に行き来し、福島の子どもたちの健康をずっと見守ってこられた山田真先生をお招きし、これからの日本の未来についてお話していただきます。
子どもの一番側にいる親御さんたちと一緒に子どもの未来について考えましょう!
多数のご参加お待ちしております。



山田真氏
・小児科医
・東大医学部卒業
・現在、東京都八王子市八王子中央診療所理事長
1967年東京大学医学部卒業、その後、上記診療所勤務しながら公害、医療被害、障がい児の就学などの運動に関わりながら40年、診療を続ける。「子ども達を放射能から守る全国小児科医ネットワーク」代表として、福島で「子ども健康相談会」を開催。「ちいさい、おおきい、よわい、つよい」ジャパンマシニスト社の編集代表。現在も福音館の『母の友」にて医療コラム連載中!
著書多数・・・

2014年11月16日日曜日

ゆみこの心展 今日最終日


ただいまアゴラ子ども美術工場では、”ゆみこの心展”を開催中!
本日最終日である。
大変好評で、たくさんの方が見に来てくださった。
彼女にとっては初めての個展。
彼女は病気になり、薬と病気の症状で苦しむ日々を送っていた。
今回の展覧会で彼女は自分の事をちゃんと書いている。
病気の事を病名を書いて・・・
二階はその彼女の苦しみを絵に表現している。
一階はその彼女の元にある優しさを表現している。
一階ではポストカードを売っている。
たくさんの方が二階の絵に反応し、わかるわかる!そうなんだよね・・・
と心の苦しみを経た人たちは、彼女の絵に共感する。
このローソンの絵はたいへん今の社会の窮屈さを表している。
病気だからというよりも皆が感じる窮屈さと孤独。
だから心の病気はいつの間にかこの日本では溢れてしまった。
でもどうしてこうも精神科にかかる人が増えたのか?
それは、生きにくい競争社会の形成と、それに依存を強いるこの日本の教育体制と日本人の本質がある。
団体を重んじ、個人の差を個性と捉える幅もなく、その差を格差に取り入れてしまう幅のなさ。
自分を持つことができず、自立して行く人の足を引っ張り、強い物に撒かれる人の集合体を作るのが得意。
若者や子どもたちと関わる機会が増えて思う事は、その弱さを作っているのは社会全体だけでなく、その子をかばう親の子に対する関わりだとも感じる。
過保護・・・すぐにかわいそうと手を差し伸べ、自力で動き出す前に手を差し伸べる。
それが親切だとか、優しさだとか・・・私だってわが子に対してそう思って手を差し伸べていた事だってあった・・・反省。
アゴラで私は先生によく叱られる。
ほおておきなさい・・・と。
すると放任と勘違いする親がいるが、その子が自力で動き出す事をそっと見守る事、その放っておくあいだは、そこ子をちゃんと見ている。そしてへたくそでも自力でやり始める行為を褒めるのである。
その対応は本当にすばらしい。
子どももマジックにかかったように顔の表情が変化する。私も子どもの気持ちがわかった。親たちも認められずに育ったわけで、その穴埋めをしているように、子ども時代を生き直しているように今の私がある。
大人が自立の意味を知らず、当然子どもに自立という意味は伝わらない。
原子力村の存在も今の政治の問題も大人たちの金柄みの依存と関係で出来上がっているのだから・・・
宗教もそうだ。
さまざまな宗教が大学を作り、政党を作り、政党を応援し、不安を持つ信者を招き入れる。
宗教がここまで大きくなってしまっていた・・・
この日本は自立を知らない民俗だったのか・・・
ゆみこさんはいろんな社会の負を子どもの時に知ってしまったの・・・
そして薬・・・
この間、内海聡医師の講演会に行った。近くで開催されたから・・・
大変ハードなお話だった。
YouTubeと同じだから興味ある人はYouTubeを・・・
薬の実体と医療のお話。
その話は、今の日本の医療体制からして、真逆の話だから特に医療者にとってはバッシリと切りたい話だが、病気になった人にとってはすごく解るお話である。
耳を疑いたくなる話だが、10年前から私もそんな話はよく聞いていたが、その当時は完全スルーの西洋医学が世のすべてだと思っていたもの。
けれど、自分には合わず、世間は西洋医学が主流だが、私は自力で薬を断った。
ま、この話はちょっと前にBlogで書いたからスルー・・・

ゆみこさんの作品展は人に勇気を与え、共感を与え、苦しきゆみこさんの苦悩をしることで自分の苦しみを知る。
そこにあたたかいアゴラの空気が存在する。
アゴラには有名な方もチラホラとやってくる。
その人たちも苦悩を知っている。
その人たちがここを訪れるってことは、どういうことだろう・・・
本当の優しさは埋もれている。
そう埋もれている・・・だって私は優しいんだよ!ここにくれば得だよ!って所は何かと絡んでるんだからね・・・
自然の優しさを知った時、本当の優しさが解る。そんな感覚がここにはある。
それを実感したゆみこさんの個展。


アゴラの子どもたちもそっと戸を開けてのぞいた。

あれあれ今日はチョロを持って個展をお祝いにゆみこさんのお友達もやってきた。

ふふふ、みんな絵にひかれて連動する♩
ゆみこさんの絵は以前色がなかったという。
心の心象風景が変化した。
彼女の今の絵には色がある。
七色の絵が存在する。
彼女はこの4年アゴラに行き来した。
その時間が彼女の絵に色が生まれた。
北風と太陽のお話のよう〜♩

by terada


2014年10月31日金曜日

ゆみこの心展

―繊細な感覚をつかむ心象世界ー

2014年 11月1日(土)〜11月16日(日)

成田侑未子さんの絵画展が上記日程で明日から開催されます。
彼女が今回のKAMEの翼プロジェクトの選考作者の一人です。
彼女は4年前よりアゴラ子ども美術工場に来ています。
月一回里山でゆったりとした時間を過ごし、絵を描いています。
彼女は精神疾患になって長い間苦しんできました。
薬のしんどさ、病状のしんどさ、社会のしんどさ、・・・
苦しみながら自分を取り戻す生き方を模索し、今にあります。
彼女の苦しみの奥には大変柔らかな優しさがたくさんありました。
この優しさが本来当たり前に育まれていいはずです。
けれど、社会の窮屈さ、残酷さ、様々なものがのしかかり、
埋もれてしまいました。
この四年、彼女は少しずつ元ある自分を取り戻してきました。
優しいかわいい作品です。
そしていま生きにくい社会を映し出しています。
どうぞ、彼女の世界を見に来てください。
ゆみこの心展へ
お待ちしております!









 by tedara

2014年9月23日火曜日

琵琶湖にカメの翼君が飛んだ!?

9月21日(日)琵琶湖の野鳥センターにて高橋匡太氏の
スペシャルワークショップ
”カメの翼君が琵琶湖の空に飛ぶ”を開催しました。
9月20日、二年前に作られたカメの翼君は
芝ちゃん牧場のトラックに乗って掛川を出ました。
高速をスイースイーと走ります。
時速80キロ


昼すぎには琵琶湖の野鳥センターに到着。
カメ君のお出迎え
野鳥センターの植田さんは、朝早くから胴長を着て琵琶湖へ入って何をしていた?
はい、植田さんはヒシの実を採ってきてくれました。
ヒシはウキ草、その中に尖った星形のものがヒシ。
ヒシクイという鳥が琵琶湖にはいます。その鳥はヒシの実を食べるのでヒシクイという名がつきました。とげとげのヒシの実をのどでコロンコロンさせて食べます。
で、このヒシの実、おいしいんだそうで、今日の子どもたちにおやつに食べさせてあげよう!と朝から準備してくださいました。ゆでて食べるんだそうです。
私は生のヒシの実を食べました。トウモロコシのような味です。
高橋さんと芝ちゃん牧場の柴田さんも初めての味。おいしいおいしい♩

21日朝10時開場準備
カメグッツが並びます



          13時半ようやくワークショップ開始。
子どもたちやその親御さんませて50人ほどが参加してくださいました。
ジャーナリストの井上さんもひかりのくに社の加藤さん夫妻も参加してくださいました。
そうそう、プレ展の制作者の土井由紀子さんも京都から参加してくださいました。

僕たちもカメを作って小さな風船をつけて飛ばそうね!


        さ〜飛ぶかな?アゴラの卒業生の大学生の山下君もお手伝い!
さ〜浮かしてみよう!アゴラの卒業生の西陣織のはたおり師の中村さんもお手伝い。
お〜浮いたぞ!拍手!
この大きなカメさんはちょっと重いぞ!
じゃ〜みんなで作りましょう!







はじめに出来たのは年中さんの丸岡君ですニコニコ嬉しそう!
私も!        井上さんも子どもたちに関わります。 ほらほら高く上がる!









いつの間にか会場はバルンだらけになりました!
さて途中に野鳥センターの池田さんよりお話です。
ヘリウムは声を変える面白いガスのように使われていますが、使い方に注意しましょうね。
そのガスを草にかけるとかれてしまいます。
そして風船を外に持って行くときは飛ばさないように注意してください。
風船を間違って野鳥は食べてしまいます。
それに割れた音は、野鳥はびっくりしてしまいます。ピストルだと敬遠するからです。
これを守ってください。


かわいいカメさんが出来ました♩
外に散歩。琵琶湖の空を見上げて!


さてこれからカメ君は外で待機
大きなバルンにヘリウムを入れます。
どんどん入れます。
      お母さんもお父さんんもスタッフも手伝ってくださいました。



夕日が沈んでしまうよ!早く早く!

わっしょいわっしょい1子どもたちが大きなバルンを運びます!
七つのバルンがカメさんに括り付けられました。
飛ぶかな?
飛んだかな?
ふわ〜と飛んだ?夕日とカメの翼君

でも浮力が足らず今回は難しく、いつの間にか夕日は沈み、暗闇に・・・
光のアーティスト高橋さんにライティングにより、七色に輝くカメの翼君に変身!




結局、飛ばなかったので、みんなでわっしょいわっしょいとカメを持ち上げました。
去年はアゴラで飛んだんだよ!5メートル強。
バルン6個で・・・
なのに今年は8個だったのにどうして?
風船の膨らみとかめさんの湿気が原因か・・・
来年は飛ばすぞ!と意気揚々の高橋君でした。

高橋匡太氏は今本当に忙しい!
今も横浜での撮影兼ねたミーティング、千葉にも東京にも行ったり来たり。京都にはほとんど帰れない状況。
そんなお忙しい今を走る高橋匡太氏がアゴラとずっと関わってくれています。
それは高橋さんが大学院生の時、静岡であった紙わざ大賞展の大きな大きなイベントに京都芸大の中原教授とともに参加した。日比野克彦氏もそのひとりで、他に芸術において名を轟かせている面々が集まり、表現した。”思いっきり試してみないか!”を渋垂先生はキャッチフレーズのように言いながら・・・
そこでの体験が核になったと高橋さんは言う。
そして毎年アゴラを訪れるとここは僕をニュートラルにしてくれる場所だと必ず言う。(場所も先生も含めてのアゴラ環境)
そして今年、高橋君は琵琶湖へやってきた。
カメの翼君がつくられて3年。カメの翼君はお話になってそのお話のように琵琶湖にいって空を飛ぶ!?
現実が先か、物語が先か・・・
表現者はずっと物語を作っている。
何か衝動的に動かされて表現する。
子どもの顔を忘れない。
その感覚さえも奪いさる今のマーケティングにのっとった社会。
お金さえあれば何でも出来る。
けれど、そのお金の先にはスポンサー。
そのスポンサーの意向で表現は制限されたり、持って行かれたり・・・
自分の本当の物語を表現しろよ!と渋垂先生は言っているようで、そして高橋さんはその思いをあうんの呼吸で感じ取る。
日常の忙しさの中、これから何が始まるの?とわくわくさせている子どもたちを目の当たりにし、高橋さんも連動して表現スイッチが入る。
さ〜!面白い事やってみようよ!みんなで作ろうよ!ワクワクしようよ!と高橋さんも子ども顔になって行く。
それを見て又子どもたちがうんうん!と食いつくて作り出す。
その連動が密の時間を作り出す。
大人にも播種していく優しいワクワクしたいい時間。
だから大人の方がまじでこったカメさんを作り出す。
この模様、この重さ、この表情、立体、平面、すべてを使った表現活動。
私にも入れてくださいとだいの大人がカメと風船をもってヘリウムガスの所に並ぶ。
大人も自分のカメ風船を見上げる。
飛んだとんだ!って大喜び。
この笑顔を子どもが見てもっともっと楽しむ。
緩やかな優しい笑顔の大人が子どもは大好き。そこに安心感を抱き、委ね、育まれる。
その連動がダイナミズム。
そこを高橋さんは20年前に読み取った。
そしてその後の高橋さんの活動に播種して行った。
今大きく大きく飛躍した高橋匡太さん。
それでもアゴラに来てくれる。
高橋匡太という表現者は、表現し続けてきた子どもが大人になって又子どもを育むのである。


かめのいないライティングされた野鳥センターの風景が右の写真。
22日の朝、元の野鳥センターの庭の風景。
確かにカメの翼君がいたんだよね?
カメ君は又静岡県掛川市のアゴラのアトリエに帰ります・・・
また来年?